やました監督 すごく言いにくいのですが、私が全然好きではない、すごく嫌いな女性がいて、脚本を書くときに、講師の先生に「今、一番気になっていることは何?」って訊かれて、その嫌いになっている人だという話をしました。その人の話を物語にしようということになり、そうかと思いながら書いていたのですが、書く度に、「こんな嫌な女、観たくないよ」と言われまして。「この嫌いな人を、いかに愛おしい人にするかっていうことを、ちゃんと考えなさい」と言われて、「なるほど」と思い、いかに私の嫌いな女性を好きな人にするかと考えながらずっと書いていました。どちらかというと、物語ということより、その点を先行して考えていました。
何度か試写室では観たのですが、今日、こんな大きい画面で観て、ちょっと違う感覚がありました。私は、いつもハルの気持ちばかりを描こう描こうとしていたのですが、こんなに大きな画面になると、他の役者の方みんなを見ざるを得ないというか。何か全体の空気感が、より一層濃く見え、宴の雰囲気がよく見えたのではないかなと思います。
つみきみほ 若手育成ということですが、私は全然若手でなく、最初に監督にも「すっぴんさらして大丈夫ですか?」って何度も聞かれたのですが、「大丈夫です」って言いました。この作品が4番目くらいに上映されてくれるともうちょっとゆっくり落ち着いて観られたかなと思うのですが、トップなので、もうドキドキでした。現場では監督に的確な言葉をいただき、とても心強くやらせていただきました。
何でしょう、怖いものがなくなってしまいました。最初に本を読んだ時に、ハルっていう女性に感情移入していきまして、もう後半の方は、「ハル頑張れ、ハル頑張れ」という思いばかりで、監督に初めてお会いした時に、最初から「私はハル頑張れっていう気持ちでここに来ています」って宣言したのです。現場でも「痛い、痛い」と思いながらも、ずっと「頑張れ、頑張れ、頑張れ」って思い続けたら、私自身がハルからエネルギーをもらったような気がしたので、この役をやらせていただけて良かったなと感謝しているぐらいです。ありがとうございました。
奥瀬繁 今日初めて観たので、自分ではよく分かっていないのですが、撮影中もうちょっとおいしいもの食べたかったなと。ほとんど僕は(劇中に出てくる料理を)食べられなかったので、おいしそうだなと思いつつ観ていました。
小田部千夏 今回の撮影は、やました監督の本当に的確な指示で、わりとさくさくと進んだのではないかと思っております。とても楽しく参加させていただきました。ありがとうございます。
安井真理子 私も監督と同じ新人なので、分からないことを何度も何度も監督に質問したのですが、そのたびに優しい笑顔で的確に教えていただいて、リラックスして撮影に臨むことができました。ありがとうございました。
岡田達也 ふだん僕は舞台でお芝居をすることが多いものですから、映像で自分のアップを見ると、どうしても照れくさくて目を伏せてしまうんです。でも今回の映画は、非常に楽しく観させていただきました。撮影の最中に、監督に「もしかして、この主人公のモデルは監督自身ですか?」って聞いたら、「そうではない」という返事をいただいて、ちょっとホッとしました。もし、本人だとしたら、その目の前でこういう役というのもやりにくいものだなと思ったものですから。実際、モデルさんは別にいらっしゃるということだったのですよね。それを聞いて安心して撮影が進みました。
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