ndjc2007平林勇監督が初めて手がけた長編映画「SHELL and JOINT」が3月27日(金)より新宿シネマート、心斎橋シネマートにて劇場公開決定!!
ロッテルダム国際映画祭、ヨーテボリ映画祭、スラムダンス映画祭での上映を始め、海外で高く評価されている「SHELL and JOINT」がついに公開されます。ぜひこの機会に劇場に足をお運びください!
映画「SHELL and JOINT」3月27日(金)公開
©SHELL and JOINT
生きるって、愚かで、愛おしい。
幼なじみである新渡戸( 堀部圭亮) と坂本( 筒井真理子) は、都内のカプセルホテルのフロン トで働く従業員。 新渡戸は節足動物と哲学が好きで、坂本は自殺ばかりしている。カプセルホテ ルにはいろんな客がやって来る。子どもを亡くしたフィンランド人の母親。逃亡犯の女。ミジ ンコを研究する学生…。しかし、それぞれの人生が交差する事は決してない。まるで整然と並 べられたカプセルホテルの様に。淡々と流れる時のなかで。節足動物をモチーフとして、生と 死と性を テーマにした、さまざまな人生の断片が展開されていく。
監督:平林勇
出演:堀部 圭亮、筒井 真理子ほか
配給:Giggly Box
製作&制作:株式会社DASH / 株式会社クロマリズム / 株式会社TEEMA
Comments -コメント-
堀部 圭亮さん
童謡「手のひらを太陽に」の中に、ミミズやオケラやアメンボが登場します。2番にはトンボとカエルとミツバチが、3番はスズメとイナゴとカゲロウが、それぞれ歌われています。子供の頃はなんの疑問も持たずに歌っていたこの歌も、中・高校生くらいになると「出てくる生き物が、随分と偏っているなぁ…」などと思ったものでした。イヌやネコやウシやウマなら分かるけど、オケラやイナゴやカゲロウって、普段その名を口にする事も稀な存在じゃないか、と。作詞をした方(やなせたかしさん)は、きっと無類の〝虫オタク〟なのだろうと思っていました。ところが、です。平林勇監督は、それ以上の偏りっぷりを、初長編監督作品で、全編を通して声高に謳い上げました。カニムシ・ハリガネムシ・ミミズ・カブトエビ・セミ・ミツバチ・カニ・ダニ・ハエ・ゴキブリ・ミジンコ・カブトムシ、などなど。♪みんなみんな、生きているんだともだちなんだ~、と、埋め尽くしたのです。
そもそも監督は、この作品は「節足動物で作られた映画」を「自分という1人の観客」に作ってみようと思った、と仰っています。そして「生と死と性」がテーマであると。この世の全ての生きものは、交尾して、生まれて、生きて、死んでいく。その中で、笑ったり、悲しんだり、歌ったり、踊ったり。ヒトもムシも同じ。まさに、みんなみんな、生きているんだともだちなんだ~、の世界です。
過去、度々参加させて頂いている平林作品には、常に独特の死生観があります。それは時に無情で、時に滑稽で、時には荘厳ですらあります。監督ご自身「独りよがり」と仰る『SHELL and JOINT』ですが、生きとし生けるものが生きる歓びを歌いあげる、命そのものを尊ぶ作品であるとボクは思います。エンドクレジットは、ひょっとしたら監督の願望なのじゃないかなぁ…。
筒井 真理子さん
世界はやはり平林監督の独特で稀有な才能を見逃さないのです。さながら母胎のようなカプセルホテルの各部屋から、それぞれの物語が産まれ紡がれてゆく。それは、ある国のある時代の話ではなく、この世界を丸ごと見せてくれるのです。そしてそれらはみな、キラキラとした奇跡です。アイロニーでシニカルなのにチャーミングで笑える映画になりました。まるで平林監督そのもののような作品です。この映像体験は、忙しない日常を忘れて、ゆったりと、生命の不思議を味わい哲学する豊かな時間になると思います。
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「SHELL and JOINT」公式サイト
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