ストーリー
橋の上で靴磨きをしている女。女の表情は暗く精気がない。昔はそうではなかった。夫と二人で小さいながらも感じのよい靴屋を経営して夫の作った靴でお客さんが喜ぶのを二人の喜びにしていた。しかしそんな幸せを破壊する出来事が起きる。トラックに引かれそうになった女をかばって男は死んでしまったのだ。男を失った絶望感と自己嫌悪に陥る。やがて靴屋は閉店し、女は男が事故の時に履いていた片方しかない革靴を形見にするようになる。それでも生きていくために時々革靴用のワックスと腰掛け椅子を小さなカートにくくりつけて橋の上で靴磨きをして生計をたてている。そんなある日、女の前に男の形見とよく似た革靴を履いた人が現れる…。